バーゼル規制とは何か?②自己資本の見直しとレバレッジ比率を初心者向けに解説

前回、サブプライムローン問題とリーマンショックを整理という記事を書いた。
大和総研のバーゼルⅢの初歩を自分なりに概要をまとめてます。

#9
サブプライムローン問題をきっかけにバーゼル規制はバーゼルⅢにバージョンアップしていきます。
Tier3が撤廃されてTire1が重視され、自己資本の質と損失吸収性が向上されます。

Tire1は普通株式等Tire1とその他Tire1に分けられます。
その他Tire1には転換権付優先株式等が含まれます。
転換権付優先株式は配当とか財産の分配等の順位が優先される株式。
その他Tire1の転換権付優先株式とかTire2の劣後債とかは銀行が経営破綻したり経営危機に瀕したりしたときにベイルインの対象となる資本であることとなりました。
ベイルインは後述します。

#11
分子の資本側には資本保全バッファーという資本が追加されます。
これは資本の流出を抑えて貯蓄を促すことで将来の損失に備えておきましょう、景気悪化の時に取り崩せる資本として保有しておきましょうという資本だ。
Tire1の補助的な資本です。
流出ってのは配当とか自社株買いとか役員報酬とかで出てしまうのを節約しましょうってことです。
財源は普通株式等Tire1です。
他に資本の強化でカウンターシクリカル資本バッファーがある。

#12
カウンターシクリカル資本バッファーも将来の損失に備える資本だけど、資本保全バッファーは柔軟な景気悪化に対応するのに対し、カウンターシクリカル資本バッファーはバブル崩壊などの中長期的な悪化に備えようという資本です。
資本保全バッファーの拡張版です。

#13
サブプライムローン問題が起きたときに、その損失額は巨額で銀行は損失に対応できず、金融危機を回避するために損失に税金が充てられました。
これをベイルアウトと言います。
ベイルインは逆で銀行や債権者、投資家の資本で損失の責任をとれということです。
Tire1で損失吸収しきれないときにベイルインとして使われる資本は、その他Tire1、Tire2です。
例えば優先株式と無担保債権の銀行が発行する劣後債はベイルインの対象となります。
劣後債は無担保なので破綻時に元本削減するリスクがあり、これをヘアカットといいます。
ヘアカットの他に普通株式に転換されることもあります。
その他Tire1の優先株式が普通株式に転換されると、普通株式等Tier1として損失吸収に使われます。
Tire2の劣後債も普通株式に転換されるとTire1扱いとなり、銀行の資本として損失に充てられることになります。
このようなベイルインの対象となる債券を発行するときは、ベイルインの可能性があることを明示する必要がある。
契約時に説明される場合は契約上のベイルイン、法律としてある場合は法定ベイルイン。
法廷ベイルインがあれば、契約時の説明は免除される。
日本では銀行の判断でベイルインすることはできず、内閣総理大臣が実質破綻しているかPON条項というもので評価し、PON条項に充足していると評価されたときにベイルインされる。
ここまでは分子側の改訂です。

#14
ここからは分母側。
サブプライムローン問題が生じたときに、自己資本比率を保ってる銀行でも破綻の危機にあってしまった。
前々回のバーゼル規制とは何か?①の#5でリスクウェイトの話をしました。
のび太の方がリスクが大きいという話だった。
出木杉の方がリスクが小さいから出木杉みたいな信用のある所に与信すると、リスク資産を増やす余力ができるという話をした。
これが問題だった。
信用のある、リスクウェイトの小さいところの資産を積みすぎて資産が肥大化してしまったのだ。
例えばリスクウェイト100%の二人ののび太に1万円づつ貸すと2万円のリスクが生じる。
(1万円×100%)×2人=2万円
リスクウェイト20%の二人の出木杉に1万円づつ貸すと4千円のリスクが生じる。
(1万円×20%)×2人=4千円
では10人の出木杉に1万円づつ貸すと2万円のリスクになるけど、実際は10万円貸している。
このように自己資本比率を保ってても信用リスクを過大に積んでしまっている銀行があり、この状態も是正の対象となった。
そこでレバレッジ比率が導入される。

レバレッジ比率のエクスポージャー額にはリスクウェイトを掛けないことにより、総エクスポージャーはTier1資本のおよそ33倍までに制限されることになった。
エクスポージャーには、オンバランス、デリバティブ取引、レポ取引、オフバランスが含まれていて、
オンバランスとオフバランスは資産と負債で貸借対照表に計上するかどうかの違い。
デリバティブ取引は銀行間の金利スワップとか、レポ取引は債権を担保に資金の貸し借りとかです。

また続きは次回に。

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