統合政府バランスシートを考える②|政府の債務超過は国民の資産なのか?

三橋貴明さんの統合政府バランスシートやってみます。
前回は簡単だと思ってやりますって言ったんですが、まぁまぁ手間でした。
参考にする動画は以下の動画です。

落ち着いて聞いてください 正確な国家の統合BSの作成方法を披露します [三橋TV第823回] 三橋貴明・さや
https://youtu.be/hu_DyJ-Y37o?si=h0HrB7TybsJLl4Hh

動画内では資金循環統計の2023年の第3四半期の速報値でバランスシートを作成してます。
日銀資金循環統計はこちらから
しかし現在は以下の通り速報値は2026年の第2四半期の速報しか見れません。
以下は日銀のスクショです。

なので時系列データから抽出します。

下の画面に遷移します。

①選択項目は資金循環>資金循環・四半期>ストック>_中央銀行になるように選択。
②全てのデータ系列を選択するにチェック。
③抽出条件に追加をクリック。

④全てのデータ系列を選択するにチェック。
⑤抽出をクリック。
以下の画面に遷移します。

ダウンロードをクリックすると画面が切り替わり、後は画面の指示に従ってエクセルファイルをダウンロードできます。
これで中央銀行の分はダウンロードできたので、中央政府分は①の選択項目に戻って_中央銀行のところを_中央政府になるように選択して②以降は同じです。
ダウンロードしたファイルを速報値の四半期計数表に当てはめて整理していきます。
1⃣は速報値、2⃣は抽出データで、一部の行、列は非表示にしてます。
2⃣のB24は1⃣のQ12に対応してますので、2⃣の24行が1⃣のQ列に対応してるということ。
ただし、2⃣のデータは途中から負債のデータも含まれてます。

三橋さんの動画では23年の第三四半期の速報値なので、抽出データはSep-23を使うことになります。
ただし、抽出データは確度の高い数値に修正されてるので、当時の速報値と差異があります。
中央政府の場合、動画内のエクセルの数値と抽出データの数値は差異が見られますが、中央銀行のデータは当時と変わらずでした。
したがって動画の通りの数値で表に当てはめてバランスシートを再現するのは無理なので、こういうことだろうというレベルの再現になります。
抽出データで表を再現すると以下のようになります。

上の表を三橋さんと同じように整理しました。
色分けも準じてます。
中央政府のBSは動画だと874.5兆円の債務超過になってるけど、これは金融資産・債務差額の894.3兆円を資産側に入れて計算してることになると思われる。
資産になるわけでなく、調整項目として資産に入れているのだろう。
それしか考えられない。
日銀のBSは数値が変わってないので、このままです。

動画の7:20のところからの三橋さんの説明はなるほどって思いました。
そもそも資金循環統計と貸借対照表では有形固定資産の有無の違いがある。
有形固定資産は道路とか橋とか配水浄水設備(これは地方政府の資産かも)とか、民営化してしまったけど鉄道とか通信網も国の財産であり国民の財産である。
このような有形固定資産を資産側に入れてれば、本当に財政の危機になった時に、それら有形固定資産を売却するということになりますよね?売るなよ!って言ってる。
そして資産側に徴税権をいれると税金で負債を返していくということに繋がると理論展開してます。
確かに、資産が減ると負債も減るのであれば、固定資産と徴税権が資産に有ればそういうことになるなって思った。
でも、これについてチャッピーからは異論が出た。
例えば、有形固定資産の土地を100兆円で売却したとする。
そうすると資産の内訳は有形固定資産が100兆円減って現金が100兆円増えることになり資産は±0のままだと指摘している。
確かにチャッピーの言う通りだ。
でも、さやさんと三橋さんが言ってることは売却代金で公債を返済するということのはずだ。
そして統合政府バランスシートは今のデータだと以下となる。

動画の通りにできてれば2023年第3四半期は約860兆円が国民の純資産ですよ、ということになる。
11:40からさやさんが言ってますが、有形固定資産を含めると有形固定資産を売ればいいという発想に結び付くと言っていて、三橋さんが政府資産が0で純負債が1200兆円でも、国民の資産が1200兆円になるだけだから問題ないという理論となっている。
三橋さんは、財政破綻論の嘘でも書いてたけど、外貨建て国債を発行する、対外債務を抱えると財政破綻の可能性が生ずると論じてるので、国の負債の反対側で国民の資産が増えている状況では、対外債務が増えるわけではないので、説明としても一貫してる。
ただ少しもやっとしたのは、9:40のところで、高橋さんは何で日銀の負債(マネーベース)を消してんだ?って言ってたところ。
そう言うのなら有形固定資産を含めた方がいいんじゃない?何で政府の固定資産消してんだ?ってね。
これについては、固定資産を売るという発想に結び付かないようにするために資金循環統計でBSを作ったのだと思う。
あと高橋洋一さんの徴税権の資産価値を含めるというのも、今はおかしいと思う。
これは三橋さんも言ってることだし、チャッピーも言ってた。
チャッピーは将来の税収を入れるなら将来の負債も入れなきゃならないと言ってた。
だから徴税権をいれるとバランスシートが破綻してしまう。
でも、高橋さんは将来の税収でなく徴税権の資産価値といってるが、徴税権の資産価値の計算方法は確立しているわけではないので資産に入れなかったと発言をしていたこともある。
上の統合政府バランスシートは中央政府と中央銀行のバランスシートだけど、前回の記事の三菱UFJ仕様の統合政府バランスシートは国の連結ベースと中央銀行のバランスシートだった。

ここまで、やってみて思うのは、やっぱり三菱UFJさんのBSが一番正確な気がする。
これは連結と日銀の資産と負債のBSだから。

三橋さんの整理の仕方を真似すれば-576兆円が債務超過ということになり、この分が国民の資産ということになる。
これは政府が日銀に払う利払いは国庫納付金として政府に戻ることを、夫が妻に金を払ってることと同じという例えを聞いたことがあるけど、国が国民に金を払ってるんなら国内で金が回ってるだけだから破綻しないよねってことになる。
固定資産を含めたBSの‐576兆円は公債分、あるいはマネーベース分と見てみれば、551兆円の公債はほとんど国民の資産だし、549兆の当座預金とその他に含まれる日銀券の122兆円のマネーベース分だって国民の資産だ。
どっちを減らすにしても国民の資産が減ることになる。
一応、負債である公債の保有者には海外も含まれるため、政府の負債の反対側はすべて国民の資産というわけではないし、純負債の反対は全て公債だとか全てマネーベースだとかではない。
おおざっぱに見た一般向けの理論だと思ってる。

更新が遅くなってる言い訳をしようかと思ったけどやめとく。
なんとか更新がんばります。

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