国債のすべて、67ページの回。
長期間の大規模な金融緩和による悪影響として、債券市場の流動性低下、価格発見機能の喪失、財政規律の弛緩、金融機関の経営への悪影響が挙げられている。
なぜ、長期の大規模金融緩和がこれらの影響を生じさせたかの話。
そもそも金融緩和って何かというと、世の中に出回るお金の量(マネーベース)を増やして金利を下げてお金を使いやすくすることで、景気を刺激する策で設備投資を促しやすい。
但し、マネーベースが増えることでお金を借りやすくなるという政策で、政府の財政出動ではないから民間への資金供給ではない。
本当は、財政出動して需要を喚起して、金融緩和で設備投資により供給力を育てるという政策を執るのが良いと思われるというのが俺の基本的な認識。
過去の参考ページ
財政出動と金融緩和 ― 日本経済を動かす「両輪」の意味
国債発行でお金は増えるのか?マネタリーベースとマネーストックの違いと整理
では、金融緩和と各悪影響の関係について。
金融緩和により市中銀行の日銀当座預金を増やすため、日銀は市中銀行が保有する国債を買い集める。
その結果、日銀が大量に国債を保有することで債券市場に流通する国債が減るので流動性が低下するという単純な話だった。
価格発見機能についても難しいことではない。
価格発見機能とは、市場参加者の需給や売買によって価格が見いだされていくことだ。
日銀は国債を買い取るときに指値オペと言って、利回りを指定して買い取ったり、イールドカーブコントロール(YCC)によって金利が一定の範囲に収まるように国債を買い取りしてたので、市場参加者の思惑が反映されにくく、金融政策の影響が強く出ていたというわけだ。
財政規律の弛緩についても単純な話。
低金利になるから国債の利払いが軽くなるので、国債発行しやすくなることに繋がるという懸念が生まれていたということ。
金融機関経営への悪影響も単純な話。
銀行は金利が主な収入源なのに低金利になると収益性が悪くなるということ。
本業の貸出をしても金利が低いから稼ぎが悪い。
国債を買っても国債の利回りが低いということが起きていた。
預金と貸出の金利鞘も小さくなっていた。
ということで、考えてみればどれも難しくはない話でした。
補足として、債券市場サーベイは日銀が四半期ごとに債券市場が機能しているかを大口の市場参加者を対象に行う調査のことで、債券市場の流動性、機能度、取引量、板の厚みなど、アンケート対象があり、機能度判断DIはそれら調査対象を総合的に考えて評価される機能度です。
日銀の債券市場サーベイの資料を見た方がいいかもしれません。
以下2026年5月調査のスクショの一部



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