国債のすべて166ページに関する回。
今まで読んできた本にもプライマリーバランス(以下PB)は何回か出てきて、意味も書いてあるから特に記事にするほどのことでも無いと思ってたが、PBと同じく、債務残高対GDP比(以下D/Y)も出てきてて、これについては何故かスルーしてきてた。
あまり気にならなかったのだ。
この166ページにはPBとD/Yの関係で長期金利とGDP成長率の関係のことも書いてあり、その関係を調べました。
まず、PBとは何かという所で財務省のリンクより、簡単に言えば、歳入から公債金と歳出から国債費を除いた収支です。
図で表すと以下の黄色の領域以外の収支です。
この図だと歳入の公債金以外の割合は75.8%、歳出の国債費以外の割合は74.4%だから令和8年度の予算的にはPB黒字ってことになる。
こういうことはいろんな本にかいてあると思う。
一応PBの内容を式で表すと、PB=税収+その他収入ー基礎的財政収支対象経費ということになる。
一般歳出と地方交付税交付金のことを基礎的財政収支対象経費という。
PBについての知識はこの程度だった。

ここからはPBを深堀します。
167ページには債務残高の対名目GDP比が前年を上回らないための条件として式が表記されている。
ぱっと見で意味が分からず、チャッピーに聞いてみるとドーマー条件に関連する考え方だということで、チャッピーも式を出してくれた。
その式を参考に167ページの式を記号を使って表す。

この式を見ながら166ページの内容を確認していく。
まずPBが0の状態、基礎的財政収支が均衡している状態では、租税及び印紙収入とその他収入で一般歳出と地方交付税交付金等を賄えており、新たな債務に依存する必要がない状態で、債務残高は利払い費分だけ増加する、と書いてある。
本当に利払い費分だけ増加するかを①の式で確認する。
Dt+1=Dt(1+r)-PBt
Dt+1は来期の債務残高である。
PBtが0だとDt(1+r)だけとなり、Dt×1は今期の債務残高で、Dt×rは今期の債務残高に係る利払い費分であるから、Dt(1+r)は利払い費を含めた来期の債務残高である。
PBtが0であればDt+1が増える要素は長期金利rだけとなり、来期債務残高は利払い費分だけ増加するということになる。
次はPBが均衡しているときの長期金利とGDP成長率の関係を整理する。
③の式がわかりやすいと思うけど、せっかく展開したから⑧の式で確認します。

まずはPBtが均衡状態でr=gの場合、D/Yは一定を維持するとのこと。
PBtが均衡状態すなわち0の時は左辺は0になり、r=gであれば右辺も0になり、D/Yは一定を維持することがわかる。
脳内シミュレーションとして、rとgは0の状態で、新たに債務を増加させる必要が生じたとする。
その時、YはそのままでもDは増加しD/Yは変化し一定という説は崩れる。
そしてPBは、新たな債務の増加により赤字になるため0ではなくなり、左辺は赤字、右辺は0となり、≧の関係が破綻する。
したがって、PBが0でr=gという時にD/Yが一定となる。
次はPBが均衡状態でr>gの場合、D/Yは上昇し、いずれかの段階で財政は行き詰るとのこと。
確かに分子が大きくなればD/Yは大きくなり、0を超える可能性が生じ、財政の健全性は悪化する。
この悪影響を吸収するためにもPBの黒字幅は大きい方がいいことがわかる。
逆にPBが均衡状態でr<gの場合、D/Yは減少し長期的に財政赤字を維持できるということ。
D/YはPBとrとgによって決まることがわかる。
そして債務残高対名目GDP比を確実に引き下げるためには、プライマリーバランスで一定の黒字幅を確保する必要がある。と書かれている。
これは①の式がわかりやすいと思う。
Dt+1=Dt(1+r)-PBt
この式のPBが赤字だとDt+rDt-(-PBt)により来期債務残高は増加するし、PB黒字だと減少する。
しかしPB黒字よりも利払い費rDtが大きければ来期債務残高は大きくなってしまう。
rDt>PBtなら債務増加、rDt<PBtなら債務減少ということ。
さらにPB黒字幅が債務残高の対名目GDP比に利子率と経済成長率の差を乗じた値を上回る場合、債務残高の名目GDP比は低下する。と書かれているがこれは⑧の式の左辺が右辺を上回ることを言っていることがわかる。

ということで財政の健全性を見るためにPB/Yと(r-g)D/Yが比べられていて、PB/Yが(r-g)D/Yが等しければD/Yは上昇せず、上回れば低下する、財政の健全性が改善するという一つの指標です。
以下私見
ここまで読んでもらった方はきっと、結局債務残高対GDP比って何?って思ってる人がいると思う。
それはズバリ、わからん!
チャッピーは債務残高と経済規模を比較してると言っているが、それを比較することがどういうことになるのかは、経済規模に対してどれだけの債務があるかがわかるという的を得ない回答しかしない。
ただ、他に経済成長率と債務の増加率を比較するためということも言っている。
経済成長率が大きいと将来的に税収も増えやすく、財政の状態の改善がみられるということだ。
他にgoogleで検索すると以下となる。


これを見ても納得できない。
国の収入に対して国の債務がどれだけあるかを見るなら、GDPでなく税収+その他収入で比べるべきだろう。
GDPは経済規模、経済活動によって生じた付加価値であって、国の収入ではない。
他にチャッピーは、「税収を生み出す元となる、国の経済規模(GDP)に対して、総額でどのくらい借金をしているかを示す指標です。財政の持続可能性を見る上で重要です。」ということも強調している。
この文言は財務省が出してる資料に記載されている。
PDFだと22ページ、サッシのページ数だと19ページ。
そしてGDPを採用することで国際比較しやすくしているということ。
ちなみにOECDは一般政府債務を分析するための「最良」の指標は一つとして存在しませんと言ってる。
このリンクを日本語に変換すると読める。
そもそもMMT派とリフレ派は統合政府という観点で財政をみると日本の財政は健全だと評価している。
だから、やる意味あるかな?債務残高のこと気にする必要あんのか?とは思ってはいたが、緊縮財政派の人たちの論理も知っておくのもいいだろうと思いました。
あと、本当は債務残高の対名目GDP比が前年を上回らないための条件としての式に実際の統計の数値を入れて右辺と左辺の関係を検証したかったんだけど、長期金利rの数値は見つからなくて、検証できなかった。
r以外は見つかったんだけど、逆算すると実際のrではなく、⑧の条件を満たすrの最大値が出てきてしまうので導出できなかった。
以下雑談
久しぶりの更新で前回は81ページのところで今回は166ページだ。
お前、81から166の間でわからない所は無かったのかよ?って突っ込まれそうなので言い訳しとく。
俺は財政とか財源という所に関心があるのだ。
第一章の81ページ以降は国債の種類とか国債市場のインフラ関係の話で、俺にとっては興味のあるテーマから少し遠い内容だと思って、わからんところはあったけど、調べる気にはならなかった。
国債の発行だって、○○債とかじゃなくまとめて国債として公募するわけだから、国債の種類とかもあんまり興味なかった。
あとPS5を買ってしまった。
むかしワールドオブタンクスをやってて、月間成績はスーパーユニカムになるくらいにはやってて、またやりたくなったので買ってしまった。
もうすぐ100時間になりそうだ。
これも更新が遅くなる原因だ。
冷戦期の3つの開発ツリーを進めてるけどシルバーが足りなくて、シルバー稼ぎがだるくて戦車を開発する前に辞めそう。

コメント